有馬記念(G1、芝2500メートル、28日=中山
この時期の馬場は早朝に霜が降りて、脚が滑りやすい状態が続きます。
季節柄、こればかりは仕方ありませんね。
ただ、今回の有馬記念はハイレベルな混戦模様。
追い切りでも見どころの多い馬ばかりでした。
特に気配が良かったのが(5)ラキシス、(3)ワンアンドオンリー、
(16)オーシャンブルーの3頭です。
ラキシスはめりはりの利いたフォームで、状態の良さと勝負根性が確認できました。
栗東坂路で併せ馬を行い、4ハロン54秒5-12秒6。
ダイナミックな走りが特徴で、自発的に併走馬をかわす瞬間にも、
しっかりと手前を替えていたのが好印象でした。
同じように気迫をみなぎらせていたのがワンアンドオンリー。
普段の調整では本気を出さないイメージですが、
秋4走目でようやく本来の調子が出てきた印象です。
菊花賞とジャパンCは負けましたが、調子落ちは全く感じられません。
オーシャンブルーは12年の有馬記念2着をはじめ、
今年の中山金杯も勝った中山巧者。確かに追い切りのフォームを見ると、
中山に向いている理由が分かります。急激にスピードアップするタイプではなく、
一完歩ずつしっかりと刻んで、一定のリズムで長く走れそうなタイプ。
肩、首、バランスという、
私がポイントとしている3項目全てが効率的に連動していました。
こういうタイプは有馬の舞台に合いますね。
ファン投票1位の(14)ゴールドシップについても触れておきます。
先週は馬が岩田騎手を確認しているように見受けられましたが、
今週は癖が修正されていました。
栗東坂路の併せ馬では4ハロン52秒1-12秒8で、
スピードをしっかり乗せて併走馬を楽に突き放す好内容。
この馬の素晴らしい点は、乗り手が替わろうとポイントさえ外さなければ
確実に力を出し切れるところではないでしょうか。
最後に(15)ジャスタウェイ。
今週の追い切りは坂路の序盤でバランスを崩しかけましたが
しっかりと首を振って修正。その後はゴールまでぶれずに推進しました。
修正できないままゴールしていたジャパンCの追い切りから、
だいぶん良化しています。
http://youtu.be/oHBYe0hmvxQ
今年の中央競馬も今週がラスト。池江厩舎は土日で11頭がスタンバイしている。有馬記念には3頭が出走予定。池江師に状態面などを聞いた。
今週の出走馬
土曜中山10R リヤンドファミユ
土曜阪神4R パラダイスリッジ
土曜阪神7R ローザズカレッジ
土曜阪神9R ペルーフ
土曜阪神12R アメリ
日曜中山10R トゥザワールド
日曜中山10R サトノノブレス
日曜中山10R オーシャンブルー
日曜阪神3R ガロファノ
日曜阪神9R キャンディーハウス
日曜阪神12R ゴールスキー
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有馬記念 最低人気の爆穴
荒れるうま年のグランプリは、2年連続的中の帝王に乗れ! 2014年の中央競馬を締めくくる有馬記念(G1、芝2500メートル、28日=中山)で、「キナミの帝王」木南友輔はサトノノブレス(牡4、池江)に魂の◎を打った。金曜発売で最低人気の爆穴だが、秘めた素質はここでも通用する。過去2年と同じく、今年も金鯱賞組が波乱を生む。
今年は中東カタールに始まり、英愛などの欧州、シンガポール、香港などアジア、
初めての南半球オーストラリア・・・、
一昨年、昨年同様、海外取材へ積極的に行った。
外国と日本の素晴らしいところ・・・、
最近は後者を多く感じるようになっている。
8月、新装札幌記念の盛り上がりは間違いなく世界一。
「日本のファンは真剣にレースを応援している」という言葉を実感した。
今年の有馬は世界ランク1位、2位の馬が出走するのだが・・・、
この1年で自分が感じたことを踏まえると、
世界最強馬を探すのではなく、
中山芝2500メートルというトリッキーで
ドラマチックなコースで日本一強い馬を見つけるのが正解だ。
◎サトノノブレスを推す。G1馬10頭に比べ、実績は見劣る。
それでも今年重賞2勝の充実度、前走金鯱賞の走り、
有馬記念3勝池添騎手とのコンビ、池江厩舎の仕上げなら・・・、
好勝負できると確信している。
ジャパンC激走の○エピファネイアは暴走の危険性が大きく、
▲ジャスタウェイは距離未体験でマイナス材料を抱える。
グランプリ巧者☆ゴールドシップも帰国初戦。
この人気上位3頭が7、8枠に入ったのだから各馬に勝機が生まれた。
狙いは前走内容のいい馬。一昨年◎オーシャンブルー、
昨年◎ウインバリアシオンと同じ前走金鯱賞組だ。
金鯱賞が行われる中京は直線の坂が中山に次ぐ全国2位の傾斜。
ここでの好走が有馬につながるのだ。
◎サトノノブレスは過去2年を上回るレコード決着で早め先頭から2着に入った。
1着△ラストインパクトが乗り替わりなのに対し、
こちらはジョッキーとのコンビ継続。水曜の最終追い後、
「いい感じの動き。狙う乗り方を」と池添騎手は手応えをつかんでいる。
昨年の菊花賞2着馬で今年の日経新春杯は逃げ切り、
小倉記念は中団からの競馬で勝った。
トリッキーなコースでも自信を持って仕掛けてくれるはずだ。
「前走も良かったけど、さらにいいのでは」と池江師。
グランプリを目標に今年8戦目で最高の状態・・・、
◎サトノノブレスの激走が自信の結論だ。
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最高級の◎ジャスタウェイに、2014年の総決算を託す。
スタート直後を含め、計6回のコーナーが待ち受ける中山2500メートル。
ノーロスが最重要課題の中、8枠15番は決して歓迎材料ではない。
それでも、さすがは日本初の世界ランク単独1位馬。
なんと1~8枠の全てで連対実績がある(13頭立てだったドバイDFの2番枠を2枠とカウント)。なかでも8枠は【1 3 0 1】。枠別では最多の4連対に、連対率80%。馬群でじっくり構えるタイプで、無理にダッシュを決める必要もない。エピファネイア、ゴールドシップといった目標も近く、腹をくくれる条件だ。
思えば苦難の連続だった。安田記念は極悪馬場。
のめり、もがきながら加速を続け、ゴール直前で大逆転を決めた。
ジャパンCは福永騎手が首をかしげたほどの状態不安。
それでも天皇賞・秋を制したスピルバーグなどを抑え、2着を死守した。たぐいまれな根性と底力で、ことごとく評価を覆した同馬。世界一の称号に恥じない信頼感がある。
ラストランでも容赦なく攻めてきた。先週、そして今週、栗東坂路には歯を食いしばり、なりふり構わず突き進むジャスタの姿があった。前走とは一変の覇気。ジャパンC3番人気。有馬記念ファン投票に至っては、まさかの5位。ドバイで頂をつかんだ同馬に
「世界一」のイメージはあっても、「日本一」の評価はまだない。世界一は、日本一。その証明こそが、残された最後の仕事だ。